社会のあらゆる業界が働きやすい職場環境を重視し、これを積極的に構築するよう奨励することを目的として、労働部職業安全衛生署、労働災害予防およびリハビリセンターは、4月28日の「世界労働安全衛生デー」の前夜に、2025年「全国職場安全健康週間関連イベント」を開催します。4月21日には労働部の李健鴻次長がイベントの開幕を正式に宣言しました。労働部は、地方公共団体、公的企業、民間企業および労働組合団体と協力し、健康週間に合わせて全国各地で各種セミナー、実務に関するインタビューおよび動的展示・静的展示等の関連イベントを展開します。これにより、引き続き労働災害を減少させ、労働者の安全と心身の健康を維持することを目的としています。

今日のキックオフセレモニーは台北で行われ、イベントの中心は「AIと手を携えて、安心して共に進む」というもので、台湾化学繊維（股）公司と艾杰旭顕示玻璃（股）公司等の、国の労働安全受賞企業を招待してインタビューを行い、その実務的手法を通じて、より優れたアイデアを生み出すことをねらいとしています。特に、新世代AIの登場に際し、企業が労働安全衛生分野において先進テクノロジーを適度に導入することは、安全に関するモニタリングの向上や、労働災害リスクの軽減において助けとなります。

労働部は、国際労働機関（ILO）の提唱に合わせて、4月28日（労働安全衛生世界デー）の週を「全国職場安全健康週間」と定め、各事業者が従業員の心身の健康とワークライフバランスを重視し、職場でのハラスメントを予防し、安全で健康的な職場環境を積極的に構築することを奨励しています。キックオフセレモニーでも、百大社と共同で職場安全に関する年度目標を発表し、職場での防災と労働者の健康保護に関する共通認識を形成しました。このイベントを通じて、労働災害の減少、防災および労働者の権利や利益に対する国民の関心を集め、より重視するようになることを期待しています。

注目に値する点として、全国職場安全健康週間の関連イベントの開幕に際して、キックオフセレモニーで、労働安全衛生に関する推進実績の卓越した企業に対し、AIの労働安全衛生に対する影響についてインタビューが行われました。その他にも、職業安全衛生署所長、台北医学大学公共衛生学部の陳叡瑜教授、台北科技大学工業工程管理学部の陳協慶教授など、官学界を代表するメンバーが現場で座談会を開催し、AIとデジタルテクノロジーの導入による労働者への影響や懸念点について掘り下げた討論が繰り広げられました。

労働部は、労働者が企業の貴重な資産であり、労働安全と労働者の健康は企業の安全文化の構築において最も根源的な基盤であると述べました。「労働者職業災害保険および保護法」が2022年に施行されてから、特別法の形式で保険対象範囲を拡大しつつ、各種給付を増額して、労働者が労働災害に遭った後の生活を保障してきました。特に、近年におけるAIの潮流のもと、先端テクノロジーは労働安全衛生対策を強化する上で助けとなります。例えば、AIが仮想現実（VR）技術と結合することで、危険なシーンをシミュレーションし、またはスマートウェアラブルデバイスを通じて労働者の安全を保護するなど、先端テクノロジーも労働安全衛生における新たな契機をもたらすものであり、労働者のためにさらに強固な防護壁を構築するものになります。

2024年に国の労働安全賞を受賞した台湾化学繊維（股）公司の馮吉宏所長はインタビューの際に、台湾の安全文化の核心は「人を中心とした思考」であり、洪福源董事長によるサポートのもと、「設備の本質的安全と自主管理に向けた努力」という2つの方向において、AI人工知能とビッグデータ管理によって各種労働安全衛生作業を推進していくと述べました。同社では麦寮工場に技術訓練センターと労働安全実地教室を設置しており、これにより従業員の災害予防と安全意識のトレーニングを強化し、事故予防を確実に実施しています。会社として従業員の健康とケアにさらに全力で取り組み、従業員を家族とみなして、健康で優れた実績を生む職場を積極的に構築しています。

この他にも、台湾化学繊維では近年、職場のAI化を積極的に推進しており、主要設備のAIプリベンティブ・メンテナンスの分析技術を導入することで、現場施工と作業安全のモニタリング能力を向上させており、安全衛生環境データ管理プラットフォームにより、発生源から作業における隠れたリスクを分析しています。作業実施前の教育と周知により、労働災害の発生を予防しています。AIテクノロジーによるサポートとシステマティックな管理を通じて、将来も引き続き安全管理体制を強化し、従業員が安心して作業できるようにします。

「安全なくして生産なし」というのが、2024年の国の労働安全賞受賞企業である艾杰旭顕示玻璃（股）公司の労働安全衛生ポリシーの基盤であり、同社の邱薇娟マネージャーは、政府と各業界がともに努力してきたことにより、ここ10年ほどで、台湾企業の労働安全衛生基準はその環境全体において顕著な改善が見られたと述べました。艾杰旭社は、各種安全衛生措置において継続的に改善を図るだけではなく、社員の心理的安全性という分野においても、「心理的安全性」をその核心としつつ、企業の安全衛生文化の高度な変革を推進しています。従業員の心理的安全性を強化し、従業員が意見を述べ、懸念を表明するだけでなく、さらには共同でリスク管理責任を負担する意思を持てるようにし、これにより、企業の安全文化経験の共有をより一層強化しています。オープンで信頼できる労働環境の構築を通じて、各従業員が、ストレスのない状況で最大限のポテンシャルを発揮し、会社の安全衛生業務に自発的に参加できるようにします。

職場でのハラスメントを予防し、より快適な職場環境を構築するため、全国職場安全健康週間が正式開幕した後、労働部は、政府、公的企業、民間企業および関係する労働組合団体と共に、健康週間に合わせて全国各地で関連イベントを展開していきます。4月28日に始まる週とその前の週に関連イベントが開催される他、本日から年末まで、事業者は、安全衛生に関連した啓発イベント、講習訓練および技術指導などを実施して、労働者の安全と心身の健康を守ります。労働部は、各業界の方々に、全国職場安全健康週間の関連イベントに奮ってご参加いただき、我が国の労働安全衛生と健康サービスのレベルを向上させるべく共に努力できることを期待しています。